弁天信仰
インドの古典「リグ・ヴェーダ」の河川の神サラスヴァーティーが、
「今光明景勝王経」によって伝来したものです。
木の神、豊穣の神として信仰されていました。
インドでは吉祥天と共に最も尊崇されていたといわれます。
弁天像の形から音楽や知恵の神として信仰され、美音天、妙音天とも
呼ばれます。
水神としての神性を持つことから、多くは海岸や湖辺の漁村で祭られています。
安芸(広島)の宮島、琵琶湖(滋賀)の竹生島、江ノ島(神奈川)の弁天を
三大弁天といいますが、いずれも海や湖に面した所に祭られています。
古来、水神として信じられていた蛇を、弁天の使わしめ(家来、神仏の使い)
とする信仰とが混同され、蛇を弁天のつかいとすることが広まっていったようです。
蛇は脱皮して「苦」を脱ぎ去る、あるいは飛躍成長するとして崇められてきました。
また、財福の神の性格から「弁財天」といわれるようにもなりました。
江戸時代に聖数とされる七柱の福の神(七福神)として祭られるようになり、
急速に信者を増やしていった、といえるでしょう。
特に七福神のなかで唯一の女神であり、豊満、馥郁とした姿、形なども
人気の要素といえそうです。
余談ですが、弁天様は辻に祭られる道祖神の恋人であった、ともいわれます。
恩林寺には「弁天様」が大祭時のご外出以外はいつも鎮座しておりますので、
七福神の一寺として是非お参りにお出かけ下さい。
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