恩林寺事典

 

項目

内容

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・「普請」
 私の住む町内では、今朝方「道普請」いうのが行なわれま
 した。ご近所の方々と、決められた範囲の清掃活動を行な
 うものでありまして、私のところでは、年に2回ございます。
 この「普請」という言葉でありますが、我々禅宗の用語であ
 りまして、寺の堂塔建立などの労役に、多くの方々に従事し
 て戴く事を言って居ります。「普く人々に請う」(あまねく人々
 にこう)の意であり、多くの人々にお願い、呼びかけをし、労
 役について戴くという事です。今朝方も、たくさんの方々が
 労役に従事し、そのお陰様でどこも綺麗にされ、気持ちの
 良い日を迎える事ができました・・・。
 
25 ・「六波羅蜜」(ろくはらみつ)
 今日から春のお彼岸です。春分の日を挟み、前後三日
 ずつ修行徳目を配した七日間の「仏道修行の強調週間」
 と言える行事であります。
 六つの修行徳目「六波羅蜜」
 一、布施(与えよう、ものでも心でも)
 二、持戒(守ろう決まりを)
 三、忍辱(養おう寛容な心を)
 四、精進(努めよう全てにたゆまず)
 五、禅定(見つめよう心静かに)
 六、智慧(生きよう真実の世界に)
    (住職のブログより)
24 ・「会下」
 老師様のお膝元で修行された修行僧は、みな「会下」
 (えか)と呼ばれ、親子のような関係が築かれます。鎌倉
 へ 来られ27年となり、会下の方々は200名を越えたそう
 でございます。
 (住職のブログより転載)
23 ・「木板」(もくはん)
 禅宗の修行道場では、修業中の行動の一切は、鐘や
 太鼓をはじめとする「鳴らしもの」の合図によって行なわ
 れます。その中の一つに「木板」(もくはん)とよぶものが
 ございます。この木板には次のような言葉が書かれて
 居ります。詳細は写真をクリックして下さい。
22 ・「四ッ頭茶会」
 四人の正客に準じて八人の相伴客がお茶を戴くという、
 茶の湯成立以前の古式の茶礼に従い行なわれます。
 四人の供給(給仕役の僧)が二人ずつ組になって茶菓を
 運び、正客から一人ずつ茶の点前を行ってゆきます。浄
 瓶を左手に持ち、茶筅は右手。銘々の茶碗に浄瓶から
 湯を注ぎ、茶筅をふります。正客に対しては膝をつきます
 が、相伴客に対しては立ったまま点前を行ないます。
 また、客も天目台ごと茶碗を差し出します。四ッ頭の見所
 は、供給をする四人の僧が動作をそろえて美しく振舞う
 姿や、もてなしに多くの人手を必要とする事であります。
 茶の湯の簡素な作法に比べると、その違いははっきり見
 てとれる事でしょう・・・。
21 ・「安下所」
 「安下」(あんげ)とは、行李(こうり)を解いて安息する事を
 言います。安下所は、新しい住職の臨時の宿所をさしま
 す。晋山式の際には、檀家さんのお宅などを安下所と定
 め、新住職はそこで身支度を調え晋山致します。昨日、
 私の晋山式にあたり、その安下所となる檀家さん宅にお
 邪魔をし、お願いをして参りました。そこで快いお返事を
 戴き、お引き受けして下さいました。大変有難く、感謝の
 気持ちで一杯でございます。
 (住職のブログより転載)
20 ・「転版式」
 この行事は、住職となるには欠かせない行事でありまし
 て、私も平成12年に執り行なわせて戴きました。住職と
 して辞令が交付され、750年脈々と続く臨済宗建長寺派
 の法脈を受け継ぐ、大変厳かな儀式であります。
 (住職のブログより転載)
19

・「寺庭さん」
 先週の土曜日、大学時代の友人の結婚式がございまし
 た。友人といっても、今は立派な一寺の住職。
 お寺に嫁いだお嫁さんの事を、我々の間では「寺庭さん」
 と呼んで居ります。
 お寺の「顔」ですね!! 住職のブログより転載

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・「合掌一礼」
 この度臨済宗建長寺派では、「合掌一礼」運動を推進して
 ゆく事となりました。「これは、建長寺参拝の方々が仏殿
  ・法堂をお参りする時、何もせず、ただ仏像を眺めている
  参拝客の姿を見、これではいけないと管長(住職)自らが
 書かれ、掲示をされたものです。 住職のブログより転載

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・「関興寺の味噌なめたか」
  枯淡、質素を基本とする生活に味噌は欠かせないとあって
 、寺では修行僧の為にたくさんの味噌を作って蓄えていま
 した。1578年(天正六年)、上杉謙信の没後景勝・景虎
 二子により家督相続争いがおこり合戦となった。その折
 関興寺は兵火の為諸堂が焼失した。時の住持が上杉氏
 より寄進された大般若経六百巻を火の難から護る為、
 味噌桶の中に蔵した。それにより大般若経は焼失を免れ
 る事ができた。以来ご利益のある「関興寺の味噌なめた
 か」との言葉が生まれた・・・。 住職のブログより転載

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建長寺山門 「狸の山門」

・「狸の山門」
 ご本山、鎌倉建長寺の山門は通称「狸の山門」と呼ばれ
 て居ります。狸和尚といわれた万拙碩誼(ばんせつせきぎ
 )は、山門資金調達の為に修行僧を諸国に派遣。修行僧
  に化けた狸は資金を集めたが、見破られ殺されてしまい
  ます。万拙和尚は手厚く葬り、資金で山門を建てたと伝わ
  ります・・・。
 建立の謂れは左の写真をクリックしてご覧下さい。
 恩林寺山門の再建に寄せて。 住職のブログより転載

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・「庭詰め」(にわづめ)
 さきにも述べた「庭詰め」。修行僧として迎える第一の
 関門。あの日から数十年が過ぎましたが、不安を一杯に
 抱え臨んだ「庭詰め」。その不安を「自信」に変えてくれた
 のも、この「庭詰め」でありました。数十年が過ぎた今、
 改 めて今の自分がある事に感謝するばかりであります。
 何事も最初が肝心ですね・・・。
 この門から先が、一般の方の立ち入りが禁止されている
 専門道場。別世界へ向かうような心境でした・・・。

 (住職のブログより転載)

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・「制間」(せいかん)
 私が修行致しました鎌倉の建長寺専門道場では、
 2月15日から5月15日までの3ヶ月間を制間(せいかん)
 と申しまして、新たな修行者を受け入れる期間が設けら
 れます。私は4月10日前後だったように記憶して居りま
 すが、いざ覚悟を決めて行ったものの、やはり不安ばか
 りが頭の中を駆け巡り、生きた心地がしなかった事が今
 でも忘れられません。今年は何人の修行者が覚悟を決
 めて道場に参るのか、また修行者としての第一歩を踏み
 出すのでしょうか。まもなくそんな日を迎えます・・・。

 写真は「庭詰め」をする雲水(修行僧の事)。入門第一の
 試験とも言える庭詰め。早朝より夕刻まで座り込みをし、
 入門を懇願致します。建長寺では3日間続けます。(食事
 、トイレ以外は写真のまま) 住職のブログより転載

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・「晋山式」
 「晋山式」とは、新しい住職のお披露目、就任式のことで
 あります。「晋」はすすむの意、「山」はお寺をさして居りま
 す。半年以上も先のことではありますが、当日をむかえる
 に必要な儀式等も済ませなければなりません。近隣の
 和尚さんや檀家の役員さんらのお力をかりながら、諸事
 万端となりますようすすめてゆきたいと思います・・・。
 本年10月は私の晋山式を予定して居ります。今年に
 入り少しずつ準備をすすめているところであります。
 檀信徒はじめ、皆様方には随時、準備状況等をご報告し
 て参りたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げま
  す。 住職のブログより転載

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・「結果自然成」(けっかじねんなり)
 
「一華開五葉」(いっかごようをひらく)
 全国各地で厳しい寒さが続いて居ります。週末は都心で
 も雪が積もるとの予報。今日、明日、受験生には天気が
 気になるところでしょう。今日は大学入試センター試験の
 一日目。私はセンター試験での受験の経験はありません
 でしたが、目指す大学へ、何とか滑り込みで入学したうち
 の一人であります。そこで受験生に一言!「結果自然成」
 (けっかじねんなり)という禅語がございます。結果は、や
 ったことが自然についてくる。精一杯努力すれば、あとは
 結果が出るまでじっと待つ。全ては自分の努力しだいの
  意。今まで積み重ねてきた努力を信じ、慌てず騒がず、
 落ち着いて受験に臨んで戴き、「結果」をつかみとって戴
 きたいと思います・・・。 住職のブログより転載

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・「福だるま、縁起だるま」
 縁起物として親しまれているだるまさん。年明け早々、購
 入された方もいらっしゃるのではないでしょうか?私の住
 む群馬県は「上州だるま」で知られ、日本の生産数でも約
 8割を占めるほどであります。眉は鶴を、ひげは亀を表し
  、赤は生命力の象徴とされ、それ故に魔よけや災難よけ
 に効果があるとされて居ります。禅寺でも、だるまさんの
 掛け軸を飾ったりする習慣があり、欠かす事の出来ない
 存在であります・・・。 住職のブログより転載

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・「袈裟」(けさ)
  様々な宗教宗派によって、身に着ける衣や袈裟も様々で
  あります。私の場合も、住職歴や年齢などから、身に着け
  られる衣や袈裟の色が変わってきます。
  そこで、「袈裟」にまつわる、皆さんがよく耳にする言葉を
  ひとつご紹介します。
  袈裟は本来、うす汚れた赤褐色の修行衣でありましたが、
  それがだんだんと華美な色となり、飾り物となってしまいま
  した。そこから転じて、「大袈裟」という実質以上に誇張す
  る表現が使われるようになったようであります・・・。
 (住職のブログより転載)

・「卵塔」(らんとう)
  今日は、東京にございます縁故のお寺さんで、そのお寺さ
  んの和尚さんの法事がございました。お手伝いを兼ね、そ
  の遺徳を偲んで参りました・・・。
  そこで、皆さんにご紹介したいのが「和尚の墓」の事であり
  ます。禅寺の和尚さんの墓は、一般の方と異なり、「卵塔
  (らんとう)」、とよばれている形が特徴であります。飾り気
  のないシンプルな卵形。その生き方が、角のない、さっぱり
  としたものであった事の表現であります。昨今、墓地の形
  は多種多様。いろいろな形をした墓地が、本当に多くなっ
  たような気が致して居ります・・・。
  写真の卵塔は、鎌倉建長寺のご開山(初代の和尚さん)の
  ものであります。鎌倉最古の卵塔でありまして、国の重文
  に指定をされて居ります。 住職のブログより転載

・「臘八大接心」(ろうはつおおぜっしん)
  今年も残すところあと一ヶ月。皆さん風邪などひかず、良い
  年を迎えられますようお身体ご自愛下さい!!
  12月1日。道場での修行を終え、はや8年の歳月が過ぎ
  ました。毎年この日を迎えるたびに、道場で過ごしたこの
  日の事が思い出されます。それは、道場での生活において
  、一年で最も厳しい修行期間(12月1日から8日まで)を
  迎えるからであります。
  「臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)」といいまして、1週間
  を1日とみなし、横になる事を許されず坐禅修行に励む。中
  でも1週間を1日とする事から、「坐睡」(坐禅のまま睡眠を
  とる)の経験は強烈、鮮明に記憶されて居ります。禅寺の
  和尚さんなら皆経験され、この日には特別な思いを持たれ
  ているかと思います。この日から8日まで、全国に点在する
  禅の道場では、修行僧殺しの長い長い「一日」がはじまりま
  す・・・。 住職のブログより転載

・「喫茶去」(きっさこ)・・・日常にある禅
  皆さんは、「お茶」を飲む習慣がございますか?お茶はい
  ろいろな効用があると言われ、私も毎朝戴いて居ります。
  「禅」と「お茶」は、とても深いつながりにあり、「お茶を戴く」
  という事を特に重んじて居ります。「喫茶去(きっさこ)」
  (お茶でも召し上がって下さい、の意)という禅語が示す
  通り、同じ釜の湯を一緒に戴き、お茶を通してお互いの
  気持ちを一つにする。お寺で大きな行事をする前は、やは
  り一同でお茶を飲み交わし、一つの行事を無事に成し遂
  げるよう、心を一つに致します。お茶を戴く事も坐禅と一緒
  。静かにお茶を戴く心の余裕、そんな一時あるといいです
  ね・・・。 住職のブログより転載

・「旦那」(だんな)
  「うちの旦那・・・」何やらぼやいている主婦の会話、耳に
  する事ありませんか?この「旦那」という言葉、実はサンス
  クりッと語の「ダーナ」を音写した仏教語なんです。その意
  味は「贈り物」。
  我が妻は、良い贈り物をされたと思っているだろうか?な
  んだかちょっと不安です・・・。 住職のブログより転載

・「一炷」(いっしゅ)
  聞きなれない言葉かと思います。坐禅会などに参加した
  事がある方は、ご存知かと思われますが、これは線香一
  本が燃え尽きる時間、約40分間の事をいいます。修行道
  場では、日によって、一日10炷を越える時もあるんですよ
  ・・・。
  機会がありましたら、是非一炷、心を落ち着かせる事に
  挑戦してみて下さい・・・。 住職のブログより転載

・「関」(せき)
  さてこの上の字、何と言う字をくずしたものか解りますか?
  これは「関」という字をくずしたものであります。
  玄関の関。玄関は言うまでもなく出入口の事でありますが
  、実はもっと深い意味がございます。これは「玄妙なる道
  に進む関門」、仏門に入るという意味であります。
  この玄関を通らなければ奥座敷へは行けない。
  だからそうやすやすとは通過が許されない。その昔には
  「関所」があり、これを越えるには容易な事ではありませ
  んでした。また、皆さんのすすむべき道にも「関所」、
  「関門」があるかと思います。たったの一文字ではありま
  すが、なにか重みがありますね。 住職のブログより転載

・「日日是好日」(にちにちこれこうじつ、又はひびこれこう
  じつ)。
 毎日が素晴らしいという事。晴れの日、雨の日、
 曇りの日。嬉しい、楽しい、辛い、悲しい。起伏の激しい
 毎日を全てよしとする考え方です。お茶の席でも親しまれ
 、皆さんの生活に密着した良い言葉であるかと思います
 。「日日是好日」、心にゆとりを・・・。
・軸は京都建仁寺、現管長様(住職)御染筆によるもの。
 (住職のブログより転載)

・「照顧脚下」(しょうこきゃっか)
 お寺の玄関先などで、「照顧脚下」(しょうこきゃっか)なる
 文字をご覧になった事がございませんか?
 これは「足元を見なさい」という意味から転じ、「履物を揃え
 ましょう」と標語的に使用されている言葉であります。
 「脚下」とは自分の足元の事。自分の足元を顧みるは、
 自分自身の心を振り返り、今の立場がどうか、よく見極め
 てから事に当たれ、という事です。まずは己の足元から・・・
 (住職のブログより転載)

曼珠沙華
(彼岸花)

ウイキペディアより引用

熊本国府高等学校 様 WEBより引用 

 曼珠沙華(彼岸花)の地下茎(球根、正確には
 鱗茎:りんけい)にはデンプンが含まれ、水にさらして
 食用となり、昔は飢饉(ききん)に備えて田んぼのあぜ道
 に植えた。
 昔(明治から昭和初期)は、このデンプンを製造する会社
 もあったとのこと。(後述「植物の知識」より)
 ヒガンバナの球根(鱗茎:りんけい)には、リコリンなどの
 アルカロイドを含み、有毒であるのだが、漢方薬や民間
 療法(球根をすりおろして、炎症・はれ物に、防虫効果も)
 にも。まさに毒を制して薬なのか。ただ、食用とするには、
 すりつぶし、充分に水でさらして毒抜きをすることが肝心。
 (左記リンク及び上記説明内容はウエブサイトより引用)

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